DIY遺産相続

 急に線香の香りのする話になって恐縮ですが、先日も少し書いた+1親等の他界の話です。

 

 結論から書きますと、手続きはぜんぶ自分でやりました。各種役所の手続きから遺産相続まで。

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 急にインシデントが発生したわけではなく、ある程度心の準備ができる程度の猶予はあった感じなのですが、だからと言って存命中にあれこれ準備をしてしまうのもアレがナニかなということであまり調べてなかったのですが、本当に亡くなってからの病院の対応は容赦ないですね。とりあえず、よくテレビで見かける心音のアラーム音がなり続ける部屋で、医師による死亡確定確認の実施前から葬儀屋を手配してくれとのお願いが。まあたしかに安置室がやたらと贅沢にある病院もナニかと思うのですが、タッチのあのシーンは、実際には「ウソみたいだろ、死亡判定から1-2時間で運び出してくれ、だぜ、本当はあんな間なんてないぜ」という感じでした。
 

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 葬儀というか、うちは家族葬すら行わず、業者は病院-火葬場間の遺体保管と運搬のみ、火葬場で見送るだけでした。火葬式とか言ったりするらしいですけどそれって式なの?っていう気もします。
 

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 あと、最初のサイトに紹介されている最初の7日間以内に行わないといけないこと、というのは、案外今は役所が懇切丁寧で、いわれるがままにやっておけばだいたい問題なく処理してくれます。まあ年金とかの手続きが予約とった上、拠点まで出向いていかないといけないというのは時間だけとられましたけどね。数十年ぶりに川越駅西口に行ったらまったく記憶にない街並みになっていてビビりました。

 で、問題は遺産ですよ。だいたいどこでも専門の業者に任せたほうがいいみたいなこといわれますが、資産もゴミみたいなもの、逆に借金もない、みたいな感じだと業者に委託する費用だけで遺産がなくなってしまいそうです。どんなに安くても基本料10万円以上するらしいじゃないですか。というわけで私は全部自分でやって見た次第です。
 
 山場はなんといっても「遺産分割協議書」と「相続手続依頼書」のDIYです。
 
 前者は親族分の数を作っておけばゴッドになって使いまわしできるのですが、後者のは金融機関ごとに個別のフォーマットとなっているのがまたややこしい。

 遺産分割協議書は、一見それなりの業者に依頼しないとできなさそうにも見えますが、ふつーにテンプレートを参考にして最低限のことを書けば案外さっくりいけます。
 
 問題は両書面について、親族の直筆署名、ですね。物理的に親族が全員近所に住んでることが前提になってますよね、このシステム。デジタル庁長官様は、マイナンバーカードがどうとか言っている前に、実印直筆署名が必要なお役所手続きをなくしてほしいです。コロナで物理面会禁止の上、認知症+振戦(しんせん)という手の震えが出ていて字がかけない高齢者施設内の親族から氏名だけでなく現住所も直筆で書かせる、とかいうシビれるミッションをこなす必要がありました。あとファミコン時代の理不尽苦労型RPGのように、「これとってからでないとこの書類あげないけんね」的な書類への直筆パターンも多かったです。おかげで高速道路のETCのマイルがはかどりました。

 

 他、相続手続依頼書にかかわるもろもろですが、諸々こなした結果の私の感想としては、
 
 証券会社 > 農協 > 郵便局 >>> 越えられない壁 >>> 信託銀行(株の配当金) >>> 地方銀行
 
 という感じです。某証券会社は親切に、ふつーの戸籍謄本ではなく、通称「ハラコセキ」という、出生からの全情報がのっている改製原戸籍というのを役所で取得する必要があるということを教えてくれました。

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 法定相続情報証明制度というのがあって一度取得しておけばハラコセキ使わなくていい場合もあって便利、みたいなことがあちこちに書かれてますが、実際にはハラコセキ必須な場合が多く、逆にこれ1冊あれば不足なことはありえないので、何も考えずにこちらを使いまわししたほうが便利でした。はるか昔の手書きの時代からの書類になるので何十枚にもなりますけどね。「こんな家系だったのか」と初めて知ることになりましたよ。

 あと意外と手間取ったというか時間がかかったというかコンプリートに時間も精神力も要したのが、株をぜんぶ売り払ったはずなのに残っている配当金の処理です。なんならゴミみたいな金額なのに、証券会社とのやりとりそのものよりも何倍もHP減らしました。

 最後に、言わせてください某地方銀行。相続手続代行サービスを、あんなに店頭窓口で宣伝されているわりに、そこいらへんの店頭で相続関係の手続きできることはほとんどなく、すべて郵送が原則。そうか、あれですね。無課金ユーザー(相続手続代行サービスを使ってない)が来るところではない、ちゃんと課金してこい、ということですね。わかります。

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